【正四面体の身体感覚〜『宇宙の羅針盤』より】

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星の種から立ちあがり

コロコロ転がる正四面体が星の階

そこにあらわれた5芒星正12面体

つくってみてはじめて文章がアニメーション化し

イロドリ鮮やかに次の章へと向かふ

☆☆☆☆☆☆

「ご自分が立っている三角形以外の面に、自らの視点というものを瞬時に設置することができます。意識を他の面の中心に向ければいいだけですよ。簡単ですね。

　すると、自らを別の角度から客観視できるようになります。

その方向は合計四方向です。ご自分が現在存在している思考の中心を基点として、その他の三方向の視点を獲得し、自らをスキャニングできるのです。おわかりですか？

　一つでは点。点と点をつないで線に。三点を結んで図形になり、そして、三点とさらにもう一つの点を結んではじめて立体的な解釈ができるものなのですよ。」

「さあ、ご一緒に練習してみましょう。

　まず、底辺の三角形にご自分がいると想像してみましょう。

　真正面に面がくれば、60度の角度で、右後ろと左後ろに、残りの二つの三角かがあります。

　真後に面があれば、60度の角度で、右側と左側に、残りの二つの三角形がありますね。

　瞬時に視点を変えてもご覧なさい。

　視点を入れ替える、基点を他の面に入れ替えても、三方向の別の視点が存在します。

　さあ、つづけてみましょう」

底にくる三角形が、パタパタと入れ替わり、方向を変えて進んでゆく。。。

☆

「いいですね。順調です。さあ、次のエクササイズをしましょう。

　この正四面体の底にあたる三角形を、上に向けて、三角形の頂点を下に向けてみましょう。そうするとどんな感じがしますか？」

☆

「記憶や夢のシステムを検証すれば、マイナス時間が存在していることがわかるでしょう。過去のことを思い出すという行為は、マイナス時間を使って、意識を過去へと巻き戻しているのです。わざわざ年表をさかのぼってゆくように、時間を逆行させるわけではなく、感情や色や数字など、さまざまなインデックスを使って、時間を飛び越えるのです。

　図形とはある特定の時間領域を示すインデックスになります。図形をアクセスコードとして使う者は稀ですが、一瞬の出来事なので、その事実に気づいていないということもあるでしょう。そう、あなたもそうですね。

　しかし、この正四面体を使った時間モデルの説明は聡明な意識状態でなければとても受け容れられないでしょう。そういった意味でも、この火のエレメントの状態で時間のモデルを説明することは有効なのですよ」

☆

「ねえ、アヌビス....この形.....正四面体って勇気の紋章の3Dに似てない？」

マヤはようやく、その事実に気がついたようだった。

「もしかして、勇気とは火のエレメントを使うのですか？」

「そうですね。決心する、集中する、力を一点に集めるものとして、この図形を使ってみましょう。それでは、最後に、勇気の紋章3Dについてお話ししましょう。

　結論から先に申しますと、勇気の紋章3Dは正四面体と同じか外観をしています。　
　そして、勇気の紋章3Dのなかに、もうひとつの図形が入っていることがおわかりですか？」

「あれ...もうひとつあるの？　平面で考えると三角形のなかに三角形が入っているけれど、3Dだと....」

「平面に描かれた線としてではなく、立体としてとらえてみましょう」

　アヌビスは勇気の文字3Dを物質化して、空中分解に浮かべてゆく。マヤはそれを手に取って、その構造をまじまじと見ていた。

「....もしかして、真ん中にあるのは、本当のピラミッドと同じ形じゃない？」