【まったく役にたたないというヨロコビ】
満月ちかく
光の振動がにぎやかで
夜中に目が覚めた。
久しぶりに共に過ごす家族の寝息は
あたたかい。
自由に飛びまわる私を
いつでもあたたかく迎えてくれる。
わたしはこんな家族を選んで生まれてきた。
ユーモアがあり
生きることを楽しむ
美しい人たちだ。
別れた夫も恋人も
今まで出会った友人たちも
支えてきてくれたひとびとも
ぶつかりあったひとびとも
みんな選んで生まれてきた。
この世で
この地球で
触れ合いながら
わたしというタマシイのカタチを
うつしだす
鏡たちを
選んで生まれてきた。
みんな
とても大変だろうし
とても幸せだろうし
とても愉快だろうし
すごいタマシイの冒険者たちだと思う。
ひとびとに出会いながら
わたしがいつもその鏡にみるのは
わたしのタマシイは
ひとりでは
なにもできなくて
まったく何の役にも立たないという無力な白さ。
わたしはそこでただ笑ってるだけで
わたしはそこでただ喜んでいるだけ。
その無力な白さは心地よい。
力がぬける。
ただ
好きなことに
笑ってるだけで
ただ
美しいものに
喜んでいるだけだ。
生まれていろいろな教育を受けて
社会に出て
何かの役に立とうとした。
誰かの役に立とうとした。
世の中のために
親のために
子供のために
夫のために
パートナーのために
役に立とうとしたけれど
役に立たなくてよいんだと思ったら
とたんに楽になった。
いつのまにか
ワークショップや瞑想会で
幾何学とか
性魔術とか
宇宙のしくみとか
ひとに伝えるひとになったけれど
それらは
この地球の物質世界では
あまり役にたたないものばかり。
地球が
水、金、火、木、土を
飛び超えてゆくときの手段として
そこを超えてゆき
役に立たず
ただ喜んで笑っているだけのひかりになる
方法を伝えているだけ。
『選ばれた人である』
とか
『虚無になる』
なんてことを
伝えたいのではなくて
いつか仏陀が
病の王の魂の治療をしたときに
治癒した王からこぼれた笑顔をみて
そこに「神がいる」と感嘆した
無垢な笑顔
うまれたばかりの赤ちゃんが
はじめて笑ったときのような
無力のヨロコビがあるんだと
無力の美しさがあるんだと。
役に立たなさ
無力さが心地よくなると
なぜか
地球での生き方もエネルギーに
満ちあふれてくる。
細胞たちが
惑星たちを飛び越えて
自由な宇宙空間にひらいてゆく。
それを見たことのないひとたちは
奇妙なものを見る目で
それをこわがり
「そんなヨロコビはまったく役にたたない」
と口々に言うのだけれど。
アメノウズメがその舞で
大地から天に巻きあげた
イノチの歓喜の渦を
クンダリー二と呼ぶ。
グレートセントラルサンにうつしだされた
今夜のツクヨミさまは
『わたし』を明るく
うつしだす月鏡。
そこには
家族に守られたわたしはいない。
陽子
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真弓 陽子 Yohko Mayumi
1994年 手術室看護
1999年より訪問看護に従事
三児の母
2014年瞑想を始め
スピリチュアルな世界に興味を持つ
『神聖幾何学』や
『イシスの性魔術』等の
ヒーリングツールを用いて
癒しと目に見えない世界について
人々に伝えています
